営業では、お客様の心理状態を把握し、「買いたい」と思わせるように誘導することが必要です。
そのため、営業では心理学のテクニックを活用することが望まれます。
しかし、「心理学なんて知らない」「どう取り入れればいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、営業で活用できる心理テクニックをご紹介します。
効果が高く、営業で使いやすいテクニックを厳選しましたので、時間がない方も、手軽にパフォーマンスを上げたい方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
営業と心理学の関係
営業では、顧客のニーズを引き出し、顧客の心に響く提案をして、商品を買ってもらう必要があります。
人間心理の奥深さを理解することで、お客様自身も気づいていない感情を理解することができるため、営業に大きく貢献することができます。
実際、多くの営業マンが無意識のうちに心理学のテクニックを営業活動に活かしています。
これは、限られた時間の中でお客様の信頼を得るためには、心理学が欠かせないということの表れでしょう。
心理学を理解することで、今まで気づかなかったお客様の気持ちの変化に気づくことができ、より有利に商談を進めることができるようになります。
まだ心理学のテクニックを使ったことがない方は、ぜひ一度試してみてください。
営業に役立つ心理テクニックを厳選
心理学を活用することで、より有利に営業活動を進めることができるようになります。
しかし、どのように営業活動に取り入れたらいいのかわからなければ、実践することはできません。
ここでは、営業活動に取り入れやすい心理学のテクニックをご紹介します。
1.単純接触効果
営業でよく使われるのが、「単純接触効果」です。
単純接触効果とは、人は繰り返し接触したものに対して好感を持つようになる現象のことです。
営業では、商談を成立させる過程で、営業マンが何度もお客様を訪問することがあります。
これは、相手のスケジュールを崩さないように長時間拘束するためでもあるが、単純接触効果を利用するためでもある。
単純接触効果では、時間をどれだけ使うかよりも、どれだけ頻繁に使うかが重要です。
商談を成立させたい営業マンにとってはもどかしいことですが、1回の商談時間を短縮し、売上件数を増やすことを心がけるべきです。
会うたびにお客様の反応が良くなっていくのがわかるはずです。
とはいえ、信頼できない営業マンには次のアポイントを取らないでしょうから、会話の中でお客様に信頼してもらえるように工夫してください。
2.好意の返報性
心理学を理解していなくても、多くの営業マンは自然に好意を返すことを実践しています。
恩返しとは、誰かに親切にされると、その恩を返したくなることです。
例えば、プレゼントをもらったら、そのお返しをしたくなる。
営業でいえば、雑談のときに相手の服装や家財道具をほめるというようなことに使えます。
あからさまなのは逆効果ですが、人は褒められると嬉しいし、嬉しいからお返しをしたくなるものです。
雑談の際に褒めることで、お客様に喜んでもらえるように心がけましょう。
3.バンドワゴン効果
営業でバンドワゴン効果を活用すると、成約率が上がります。
バンドワゴン効果とは、自分以外の人から高い評価を得ている商品が安心できる効果のことです。
営業では、「この商品は人気商品です!」などのセールストークでよく使われます。
「話題の商品です!」と言えば、成約につながりやすくなります。
優柔不断な人や、他人の意見に流されやすい人は、バンドワゴン効果に陥りやすいと言われています。
あなたのお客様がそのような方であれば、積極的に取り入れるとよいでしょう。
ただし、注意しなければならないのは、多くの人が使っている商品であっても、目の前のお客さまにとって必ずしも良い商品とは限らないということです。
このお客さまには合わない」と思ったら、本当におすすめできる商品を提案し、その理由を説明しましょう。
例えば、「この〇〇は多くの人が使っていますが、あなたには向いていないかもしれません。なぜなら、~~だからです。
より~~なので、△△をお使いいただくことをお勧めします!」
上記のように説明すれば、相手は「私のことを思ってくれている!」と感じるはずです。
その結果、信頼を得やすくなり、制約につながりやすくなるので、状況に応じてテクニックを使い分けましょう。
4.決断回避の法則
決定回避の法則とは、「選択肢が多い状況では、お客様は自分にとって何がベストなのか判断できない」という法則です。
選択肢がたくさんある大きなショッピングモールに行っても、ただ見て回るだけで、結局何も買わなかったというような経験があるのではないでしょうか。
人は選択肢が多すぎると、考えることを放棄してしまい、その結果、購入に至らないのです。
営業でお客様の信頼を得ようとして、多くの商品を紹介しすぎるのは、契約から遠ざかってしまう行為です。
選択肢を極力少なくし、お客様が選びやすいように工夫しましょう。
ただし、選択肢が少なすぎると、「誘導している」と疑われる可能性があります。
そこで、3つの選択肢をおすすめします。
選択肢が3つあれば、いろいろなパターンを提示することができ、お客様が選びやすくなります。
あまり多くの選択肢を用意する必要はありませんが、選択肢が多くなりがちな場合は、3つにしましょう。
5.現状維持の法則
変化というのは少なからずストレスになるため、人は現状を維持しようとする心理的傾向があります。
しかも、選択肢が多ければ多いほど、より強く現状を維持しようとします。
これが「現状維持の法則」です。
お客様に選択肢を与えすぎると、現状維持を選択する可能性が高くなるのです。
それがお客様にとって良いことであれば問題はないのですが、何らかの変化が必要だと感じる場合は、工夫をしましょう。
2つの選択肢を提示すれば、お客さまに変化を促しやすくなります。
また、人は得よりも損を嫌う傾向があるので、変化を促したいときには特にこの方法が重要です。
お客様の損得に当てはめ、「決断回避の法則」との兼ね合いを考えながら、選択肢の数を決めましょう。
営業で使える心理テクニックを身につける
自然な形でマスターするには、少し時間がかかるかもしれませんが、しっかり身につけたい場合は、次の3つの方法を試してみてください。
トークスクリプトに落とし込む
ロールプレイングをする
実際に使ってみる
上から順番に実行していくと、抵抗なくスムーズに身につけることができます。
1.トークスクリプトに落とし込む
トークスクリプト(台本)を使うことは、営業で成果を上げるための基本中の基本です。
トークスクリプトには、必ず心理テクニックを取り入れたセリフを入れるようにしましょう。
トークスクリプトに盛り込むと、練習で繰り返し使うことになるため、テクニックの使い方に慣れてきます。
ぜひ、紹介したテクニックをトークスクリプトに組み込んでみてください。
2.ロールプレイング
セリフの練習をしたら、同僚の営業マンと一緒にロールプレイングをしてみましょう。
ロールプレイングとは、ロールアクトとも呼ばれ、ある状況下で複数の人が異なる役割を演じる練習をする方法です。
営業マン役とお客様役に分かれ、実際の会話のように話すことで、より実践的な練習ができます。
ロールプレイングをやってみて、フィードバックをもらい、そのフィードバックをもとに、トークスクリプトや話し方を改善し、セールストークの質を高めましょう。
3.実践で使う
練習をしたら、実際に使ってみましょう。
不自然な話の流れにならないように注意しながら、練習したとおりに使ってみてください。
お客様からの反応が違うかもしれません。
実際に使った後も、どうだったかを振り返ってみましょう。
「タイミングが合わなかった」
「話し方がぎこちなかった」
など、失敗はつきものなので、反省して次の営業プレゼンに生かしましょう。
より効果的に使うには
慣れるまでは、自然に身につくものではないかもしれませんが、慣れてくれば、自然と使えるようになりますので、根気よく試してみてください。
より効果的に使うには、フレーズだけでなく、ボディランゲージにも気を配ってください。
フレーズばかりを考えていると、不自然なエッジの効いた話し方になってしまいます。
また、きちんとお客様の利益になることを忘れないでください。
「お客様のため」という本質を見失わなければ、自然体でテクニックを使うことができます。
あまり強く考えすぎると、話が独りよがりになってしまいます。
もっと心理テクニックを使いこなしたい
営業で高い成果を出すためには、常にお客様の立場で考えることが大切ですので、テクニックを実践する際には、そのことを思い出してください。
心理テクニックをうまく使っている営業マンの事例を社内で共有することで、営業力の底上げを図ることも可能です。
営業では心理学のテクニックを使って成果を上げよう
営業で使える心理テクニックをご紹介しました。
記事内で紹介したテクニックは、記事の最後にもう一度おさらいすることができます。
単純接触効果:よく見る人ほど好感を持つ
好意の返報性:よく会う人ほど、好意を返したくなる
バンドワゴン効果:人は人気のあるものに安心する
意思決定回避の法則:選択肢が多すぎると選びづらくなる
現状維持の法則:人は変化を好まない
営業でこれらのテクニックを使いこなせば、営業成績を上げることができます。
ぜひ、次の営業から使ってみてください。