
就職面接の面接官から「最後に何か質問はありますか?」と聞かれたからと言って、何でも聞いていいというわけではありません。
たった一つの悪い質問が、残念な結果につながることがあります。
ここでは、そんな悪い質問の例と、魅力的な質問に変身する質問を紹介します。
目次
準備していない逆パターンの質問
ホームページや求人票に書いてあることを質問するのは、何の準備もしてないと言っているようなものです。
悪い逆質問の例
・御社の企業理念は何ですか?
・御社ではどのような製品を扱っていますか?
・御社の主な顧客は誰ですか?
・御社の売上高はどのくらいですか?
・御社の強みは何ですか?
面接の前に、志望企業のホームページや求人情報を暗記するように熟読しましょう。
興味のある企業のホームページだけでなく、ビジネス上の競合他社のホームページもチェックしておけば、「A社もB社も同じような機能や価格の製品を販売しているが、お客様に選んでもらうためにどのような工夫をしているのでしょうか?」などと質問することができるようになり、さらに「お客様に選んでもらうために何をしているのか?」など、より踏み込んだ質問ができるようになります。
事前に入念に企業研究をしてきたことをアピールできるだけでなく、「この会社に入りたい」という熱意が面接官に伝わります。
自信のないNG逆質問
会社は事業で利益を上げようとしている組織なので、「勉強している」と思われるのはNGです。
また、自信のなさを感じさせるような発言や姿勢も社会人としてNGです。
NGな逆質問の例
・勉強できる環境はありますか?
・自分の能力を伸ばせる環境はありますか?
・御社に入社した場合、どのような研修が受けられますか?
・ノルマを達成できなかった場合はどうなりますか?
・異業種(異職種)からの転職でも大丈夫ですか?
・入社後、勉強することはできますか?
あなたが面接に呼ばれたのは、会社があなたに会う価値があると考えたからです。
面接官の目を見て、積極的な姿勢を示し、聞き返せるようにしましょう。
自分ができること、入社したい会社にもたらすことができると思うことをまとめます。
中途採用の場合、企業はあなたが何をしてきたか、何ができるかを知りたがっています。
前職で何をしたのか、何を学んだのか、そして応募先の企業や職種に何をもたらすことができるのかをまとめましょう。
逆に、「前職では、入社後に○○の資格を取得しました」というような質問をすることもできます。
今自分ができること、会社に貢献できると思うことを中心に質問するとよいでしょう。
仕事に興味を感じない
給与、休日、休暇、福利厚生に関する質問は、仕事への関心が低いと受け取られる可能性があります。
給与や休日、休暇などの福利厚生は、仕事を選ぶ上でとても重要な要素です。
しかし、これらの質問ばかりしていると、面接官に「この仕事や会社に興味がない」とマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
ただ、これらの質問ばかりしていると、面接官にその仕事や会社に興味がないのではとマイナスの印象を与えてしまうかもしれません。
また、福利厚生について質問すると、面接官から「ちゃんと調べたの?」と言われ、さらにイメージが悪くなる可能性があります。
NGな逆質問の例
・平均年収をお聞かせください。
・月給と手当はいくらですか?
・前年のボーナス支給額はいくらでしたか?
・残業はありますか?
・福利厚生はどのようなものがありますか?
・転勤はありますか?
・年間休日は何日ですか?
給与、休日、福利厚生に関する質問は最小限にとどめ、控えるようにしましょう。
求人票からは読み取れない聞きたいことがある時は、過去の実績について聞いてみるのも手です。
「求人票には残業ありと書いてありましたが、御社の平均残業時間や繁忙期の残業時間はどれくらいですか?」「御社の平均残業時間、繁忙期の残業時間はどれくらいですか?」など、求人票だけでは分かりませんでした、という微妙なニュアンスですが、同時に「求められる労働条件に柔軟に対応しますよ」という意思表示でもあるのです。
とはいえ、給与や休日、福利厚生などに関する質問は、面接官に良い印象を与えないので気をつけましょう。
何か質問はありますか?はチャンス
何か質問はありますか?は自分をアピールするチャンスです。
NGを避けて無駄にしないようにしましょう。
面接官の心をつかむ逆質問の例を2つご紹介します。
やる気をアピールする逆質問
例えば、以下のようなものです。
「実務に就くまでの期間と手順を教えてください。」
「異業種からの転職の場合、何を勉強すれば良いのでしょうか?」
「私は前職で○○の経験を積んでおり、お役に立てると思いますが、どのような経験やスキルが不足しているのでしょうか?」
「前職の経験から○○の流れは理解していますが、その後の流れについて詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?」
など、上記のような質問は、新しい職場で必要なものを探そうとしている「できる人」であることがうかがえます。
新しい会社で自分に足りないものを吸収しようとする前向きな姿勢と、「がんばります」「努力します」といった抽象的な表現を使わないところが好印象です。
責任感や協調性をアピールする逆質問
例えば
「前職のお客様は○○な方が多く、○○や○○のお世話をさせていただいておりました。御社の仕事内容では、○○がさらに重要になると思いました。他に気をつけるべきことはありますか?」
「前職では、社内のスタッフのサポートがなければ仕事ができませんでしたが、そのため、常に積極的にコミュニケーションをとり、社内の雰囲気を良くすることを心がけていました。これまでは、後輩に遅刻をしないよう率先して教育したり、明るく挨拶するようにしたりしてきました。その他、御社で私に期待することはありますか?」
など、これらの質問は、お客様や同僚への接し方に「責任感」と「協調性」を感じるので好印象です。
前職で心がけていたことを引き合いに出し、応募先で期待されていることを逆質問するのです。
企業が求めていることを聞きながら、その企業が大切にしている責任感や協調性をアピールできる逆質問の良い例です。
ただし、自慢げにならないように注意しましょう。
何かご質問はありますか?に対して「特にありません」は印象が悪い?
面接官は、あなたの入社意欲、志望度、職務遂行能力を見極めようとしています。
もし、「最後に何か質問はありますか?」と聞かれた際に、意欲と能力をアピールできれば、他の応募者と差をつけることができます。
できるだけ多くの質問をしましょう。
そのためには、応募先の企業について下調べをし、自分の強みを明確にした上で、事前にいくつかの質問を用意しておくことが大切です。
ただし、逆質問は絶対に必要というわけではなく、一番大切なのは、それまでの面接の流れです。
面接官が聞きたいことを十分に説明し、逆質問をする前に用意していた質問にはすべて答えてくれる可能性があります。
そのような場合、無理に質問しようとして、先に述べたような「下手な質問」をしてしまっては意味がないのです。
また、質問を考えて沈黙を作るのも印象がよくありません。
もし、具体的な質問がない場合は、「十分ご説明いただきましたので、特に質問はございません。お話を伺って、ますます御社に入社したいという気持ちが強くなりました」と、入社への意欲をアピールしましょう。
面接の質問に関しては、下記の動画も参考にしてみて下さい。